2012年02月24日

エネルギー研究機関GEPR のレポートが偏りすぎてる件

エネルギー研究機関GEPR のレポートが話題になっていたのだけど、中身があまりにもひどいので少しコメント



今週のアップデート — 福島の低線量の放射線量で健康被害は起こるのか?(2012年2月20日) : Global Energy Policy Research

『ラドン温泉などが健康にいいとされるもので「ホルミシス効果の仮説」』は同じ団体に否定されて、むしろ健康被害がある可能性があるとなぜか海外で発表された(肯定論文はなぜか日本で発表)のにそんなの出してくるあたりが胡散臭い

『航空機1万9184例の男性パイロットを調査しました。彼らにがんなどの健康被害のリスク増加は観察されていません。』これも嘘。使ってるのが8年前のレポートだが、去年発表された最新の報告書では全く反対のことが書いてある。

Increased frequency of chromosome translocations in airline pilots with long-term flying experience -- Yong et al. 66 (1): 56 -- Occupational and Environmental Medicine

1万例のパイロットの調査で、調査比較対象との有意差がない状態で調査したと言ってるだけ。1年の飛行ではそれほど差がなかったが、飛行年数が10年になると DNAの 転座頻度 が1.8倍になったとのこと。これは飛行年数が最低のパイロットと比較した場合最大2.5倍にもなったとのこと
発がんリスクが宇宙放射線に起因して顕著に増加することを示す訳ではないが、皮膚がんの相対リスクが放射線量の推定値とともに増加した』となっている。


コメントでも
いくら探しても、長期の低線量被曝でのデータは見つかりません。もうこの話、止めた方が。騒ぐ方は、データを出してほしい」という人がいるが

福島原発 被曝!子供の癌リスク過小評価!『長期間の低線量被爆がより有害』の可能性を示す最新研究|未来からのメッセージ

実際幾つかデータはあるが、はっきりとわかっていない。調査ができないというのが正しい。安全だから無害というデータがあるのではなくて、検証が難しいため、データがそろっていない。水俣病やアスベストの時もそう。

むやみに騒いでるわけではなく、用心すべきだと言ってるだけ。


福島はチェルノブイリにも広島にもならなかった : Global Energy Policy Research
こちらもひどい。
空気線量については、反論しないが、今も続く、放射線降下物(フォールアウト)
について一切の言及がないのだ。

福島県による定時降下物環境放射能測定結果 | 文部科学省
1〜2月の定時降下物を見ると1か月で300〜500Bq/m2(Cs139合算すると約2倍)の降下が見られる (1MBq/km2=1Bq/m2)

関西福祉大学 社会福祉学部一瀬准教授
広島の黒い雨の降下地域で、爆発直後に取得した土壌サンプルから推定した、爆発直後のセシウム137の放射能の最も高い場所(西大橋)の値は、493 Bq/m2

広島のセシウムの降下物と比較してみると、異常さが分かります。

JAEA 日本原子力研究開発機構 福島技術本部
日本原子力学会2011年秋の大会「福島第一原子力発電所事故の防護措置と線量再構築 (2)吸入摂取による公衆の内部被ばく線量評価」の発表内容について 参照

定時降下物から放射性セシウムが比較的高い濃度で検出された要因について(平成24年2月6日)
強風で、放射能を大量に含んだ粒子が舞い上がっている日もあるようですね。

本当にマスクなしで平気でしょうか?
アスベスト被害も数十年してから出てきました。

偏った論文を集めて、安全だと断言するのは、何か政治的な意図があるように見えます。

注意喚起して、マスクを着用するようにすすめるのはおかしいでしょうか|。・ω・)?
ちなみに、1m2に降下する放射能を毎日50Bq吸い込んだと仮定すると1年で1mSVの肺への当量被ばく.危険とも言えないけど、安全とも断言できない値ですね



blackwingcat at 18:09コメント(0)トラックバック(0) 
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