2011年04月20日

100mSV浴びても癌で死ぬのが50%から50.5%になるだけと言うのは嘘

ところで、健康被害というなら、放射線だけを悪者にするのはアンフェアだ。

医学の定説では、放射線を100ミリシーベルト浴びると、がん発生率が0.5%程度上がるとされている。日本人はほぼ半数ががんに罹るので、仮に全国民 がこれだけ被曝すると(これは現在の福島原発作業員レベルだが)、日本のがん発生率が50%から50.5%に上がるという意味である。
これはNEWS ポストセブンに掲載されていた記事の内容です。
だが、この理論がまかり通っています。

でも実際、この理論は矛盾点を抱えているのです。


1.日本人の半分が癌で死ぬは誇張

まず、これを見ていただきたい

日本人の死亡原因の6割が三大疾病です
日本人の死亡率で癌が原因によるものは30%程度です。
敢えて言うなら、日本人が三大疾病で死亡する割合のうち50%が癌を占めるだけです。(平成15年度)

少し古い資料なので平成20年度のを確認してみたところ、それでも34%程度で半分ではなく 1/3と言うのが正しいようです。


2.日本人の死亡原因で癌が高い理由には医療放射線被曝が含まれている?

日本人の癌が高い理由として『欧米とは食生活が違い』平均摂取カロリーが少ないので肥満が少なく心臓病が少なく、長生きするので、癌の発生が結果として多くなっていると締めくくっているものが多い。

本当にそうなのか調べてみました。

Products - National Vital Statistics Reports - Homepage

この資料によると、アメリカ人の2005,6年の死亡率の26%が心臓病、癌が23%です。日本人の16%が心臓病で死亡していますから、差分の10%が長生きした場合の死亡要因をそのまま癌に振り分けてみると、26~27%になります。まだ、6〜7ポイントの差があるのはなぜなのか考えてみないといけません。

日本人の癌の部位のベスト5を見てみると、
肺・胃・肝臓・結腸・乳房/脾臓 という結果になります。
*結腸は大腸の上方の部位です

なんか、場所がすごく密集してることに気づきませんか?
実は、胃の放射線検診で被曝する部位が癌の要因の上位に密集してるのです。

タバコによる発がんリスクが関係しているのでは?と思われる方もいると思うでしょうが、アメリカの喫煙率は最近20%を割り込んだ位、日本ではその年に24%だったので、約4〜5%差がある程度です。
一般的に癌の1/3がタバコが原因によるものと言われていますから日本人の癌による死亡者から 0.05 / 3 x 25=約 0.41% というわけで1%引くことにしましょう。

肺の検診による放射線被曝は0.1mSV程で大したことはありませんが、胃の検診では6.9mSVもの被曝をします。
大体日本人は職場で検診を義務付けられていますから30年間ほど毎年被曝するので生涯200mSV程放射線を浴びることになります。
その量は欧米の1.8倍(年間1.4回が平均)なので 年間平均280mSVとなり、125mSV程多く浴びている計算になります。(統計では日本人はの医療放射線被曝で2.3%発がんリスクが増えるとしています)

これを先ほどの6〜7%の差から喫煙者の差分を引いた6%に適用すれば 比較的短期間に、放射線を累積100mSV浴びれば 3〜4%癌で死ぬ確率が増えるということになります(先進国平均の統計値を使用しても2%は増えるということです)。
先日は年間50mSV浴び続けると、8%程発がん率が上がるという話をしましたが、医療放射線は短時間で浴びるので、影響が多いのかもしれませんね。

本当に日本人が癌で50%死ぬのならば100mSVで10%癌で死んでいるということになってしまうので都合のいい箇所だけ数字をいじってる訳です

結論
放射線量が100mSV浴びるのが短期間(数時間以内)であれば死亡原因が癌になる確率が34%から36〜38%に、長期間であれば34.5%に上がる(注:子供は3倍上昇)。

可能ならば、胃の放射線検診は避けて、胃カメラでの検診を自費で受けよう。(負担額は8000〜15000円)

ちなみに私は2年に1度自己負担で胃カメラでの検診を受けていて、胃の放射線検診は受けていません。最近の胃カメラは小型化されたので、最新の機材を導入している病院であれば、それほど苦しくはありません。(むしろバリウム飲んで下剤飲む方が苦しいかも…)


blackwingcat at 06:49コメント(9)トラックバック(0) 
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コメント一覧

1. Posted by YTT   2011年06月13日 12:23
すみません、日本人成人はそんなに毎年胃のX線検診を受けていません。
計算の前提が間違っていると思います。
2. Posted by YTT   2011年06月13日 12:40
肝癌の原因の多くはウイルス感染です。肝炎ウイルス感染防御がかなり重点的になされてきているので、今後確実に減少が予想されています。
肺に関しても、胃検診で被曝する可能性のある下肺野の癌が増えているわけではありません。
結腸も範囲が広いので、胃検診の被曝が影響する部位は一部です。

0.5%の上昇の根拠も薄弱と言われているようですが、こちらで述べられているものも、罹患率や年齢補正・検診受診率等もきちんと考慮されていますか?

いずれにせよ、人は自分の信じたい方向にバイアスがかかるものなので、全否定はしませんけれど、ご再考をお願いいたします。
3. Posted by YTT   2011年06月13日 12:43
ついでに気が付いたので。
引用されている文もそうですが、日本人の約半数が癌に「罹患」します。
でも全員癌で亡くなるわけではないので、死亡率は約3分の1です。

お気づきでしたらすみません。
4. Posted by blackwingcat   2011年06月14日 12:23
> すみません、日本人成人はそんなに毎年胃のX線検診を受けていません。
> 計算の前提が間違っていると思います。

おそらく。再検査や年二回検診を実施ているところを含めて 1.4回が平均なのでしょう。
私が勝手に作った前提ではありませんので|;・ω・)

> 引用されている文もそうですが、日本人の約半数が癌に「罹患」します。
> でも全員癌で亡くなるわけではないので、死亡率は約3分の1です。

その50%を引用して、100mSVの放射線を浴びても、死亡率が 50%から 50.5%になるだけだと言ってる馬鹿な教授がいるわけですが、
死亡率は1/3ではなく、1/2〜2/3となっているそうで、私はその値を使っています。
5. Posted by YTT   2011年06月15日 08:40
レスをありがとうございます。

成人がん検診の受診率は胃癌でも30%程度です。
毎年1回以上を推奨されていますが、その程度です。
しかも推奨されているのは40歳以上です。
サラリーマンの経験はおありでしょうか?
自営業・専業主婦は職場検診がないため、その人たちに検診を受けてもらうために一生懸命啓蒙活動をしていますが受診率はなかなか上がりません。
また、最近はX線検査よりも直接的な内視鏡検査で検診される方も増えています。そうすると、上記の癌の発生は今後減少してくるはずですね、ブログ主さんの主張では。
肝臓癌については納得していただけたでしょうか。

ブログの内容を主張されるには、胃癌検診を受診した人でのそれらの癌の発生が受診していない人より優位に高いかどうか検証されるべきだと思います。統計データはあちこちで公開されていますので、すこし手間をかければ誰からも突っ込まれることのない検証が可能だと思います。
6. Posted by YTT   2011年06月15日 09:27
すみません。補足です。
サラリーマンの受ける職場健診は、生活習慣病をターゲットとしているため、がん検診にかかわる項目はほとんど含まれて居ません。(職場により異なりますが)
がん検診は、市町村による検診にほとんどを負っていますが、サラリーマンの方々もあまり市町村の検診は受けません。その代わりに40歳以上では人間ドックの補助が出たりするのでそれを利用して受診する場合が一般的のようです。

今回の問題で、健康に関心を払う人が少しでも増えて、もしも癌になった場合でも早期発見・早期治療で治癒してくれることを願っています。
7. Posted by blackwingcat   2011年06月15日 12:25
うちの会社だと30以上が胃の検査義務あるみたいです。
多分、40以上になると人間ドックに自主的に入る人も多いので、
日本人の検査回数が多いのかもしれません。

もしくは、1回の検査で複数回撮影を行うことを考慮して、年1.4回なのかもしれません。

どちらにしても、日本では、海外より胃のレントゲン検査回数が多く、癌にかかる人が多少多い、という結果には変わらないと思いますが、どんな資料も鵜呑みにするわけではなく、1つ1つは参考にする程度で、総合的に判断するよう、お願いします。

私は、有意性のある調査結果だと考えてるので、数年前から胃のレントゲン検査を受けずに自腹で胃カメラによる検診を受けて、会社に報告しています|・ω・)
8. Posted by YTT   2011年06月16日 09:35
板汚しのような気がしてきましたので、まとめさせていただきます。

日本人の癌罹患部位の上位は、肺・胃・肝臓・結腸・乳房、
男性ではこれに前立腺、女性では子宮も5位以内に入ってきます。

肝細胞癌の原因の8〜9割はウイルス感染なので、これは今後減少すると予想されています。
大腸癌・乳癌の上昇は、食生活の欧米化・女性の社会進出等と一致しているので、それらの要因が大きく関与していると考えられています。乳癌は、30代後半ぐらいから増えてきます。40歳過ぎれば要注意です。
肺は喫煙は大きな要因ですが、その他大気汚染等も関与しています。
そして、どの癌も高齢化により増加しています。
例外的に、胃癌の罹患率は減少してきていますが、これも食生活の変化が大きいと考えられています。

日本のがん検診受診率は胃癌でも30%程度、乳癌は20%程度にとどまり、欧米の80%を大きく下回っています。
早期発見・早期治療すれば(手術等のリスクはあるものの)完治可能な癌もたくさんありますので、これは非常に残念なことです。

そのような実態を踏まえて、主様のご意見、上記の部位の癌が増えているのは胃がん検診による被曝のため、というのはいささか乱暴な結論と考えてコメントさせていただきました。
ただし、それらの癌の中に胃がん検診で被曝したことが原因になったものが全くない、とは申しません。

被曝は少ないに越したことはないので、内視鏡検査で検診されることをお勧めしますが、市町村のがん検診では対象になっていないかも知れません。

どうか皆さん、これを機会にがん検診を考えてみてください。検査方法もいろいろあります。胃癌なら、早期に発見すれば胃を切る手術をしなくても治る場合もあります。
最後は宣伝になってしまいました。板汚しと思われましたら消してください。
9. Posted by blackwingcat   2011年06月16日 17:27
おっしゃるように、子宮・乳がん・直腸がんについては、他の先進国と比較して、検査する人が少ないということがありますが、ちゃんと検査しているはずの、胃や肺が上位に入ってる点を考えると、検査による被曝の影響の方が大きいのではないかという考えており、実際にそう考えている学者さんもいるので、乱暴な理論とは考えておりません。
胃のX線検査の回数と発ガン率について、他の先進国と比較した場合に相関があるという説に基づいて、この計算では整合性が取れている一例をあげて、内視鏡検診をすすめているに過ぎません。

YTTさんの書き込みには同意する点もありますが、それが主な原因だから検査による被曝がほとんど関係ないと断言してしまうのもやはり乱暴だと思います。
どちらの理論が正しいかというより、どういった要因で癌にかかるリスクが上昇するかという情報を知る上で、この記事やコメントを読んだ人が判断するなら有用だと思います。
よって、記事を修正したり、コメントを削除したりして、片方の情報を抹消してしまうのは、問題だと考えていますので残します。ということでご了承ください|・ω・)ノ

# ただし、書き込んだ本人から間違った情報を書いてしまったので消してくださいという依頼があったときは消しますが

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