2011年03月26日

狂った政府。国際基準20倍の放射能規制緩和が1週間前適用されていた

厚生労働省:放射能汚染された食品の取り扱いについて(福島原子力発電所事故関連)

平成23年3月11日に発生した東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故により、周辺環境から放射能が検出されています。このため、飲食に起因する衛生 上の危害の発生を防止し、もって国民の健康の保護を図ることを目的とする食品衛生法の観点から、当分の間、原子力安全委員会により示された「飲食物摂取制 限に関する指標」を暫定規制値とし、これを上回る食品については食品衛生法第6条第2号に当たるものとして食用に供されることないよう対応することとし、 別紙のとおり各自治体に通知しました。

という資料が先週公開されました。
はたして、この暫定規制値とはどんなものなのでしょう?



コーデックス委員会で制定されている規制値を見てみましょう。

ちなみに、コーデックス委員会は、消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等を目的として、1963年にFAO及びWHO(世界保健機関)により設置された国際的な政府間機関です。

農林水産省/コーデックス委員会



Official Standards List
Infant foods(Bq/kg)
238Pu, 239Pu, 240Pu, 241Am: 1
90Sr, 106Ru, 129I, 131I, 235U: 100
35S, 60Co, 89Sr, 103Ru, 134Cs, 137Cs, 144Ce, 192Ir: 1000
3H, 14C, 99Tc: 1000

Foods other than infant foods(Bq/kg)
238Pu, 239Pu, 240Pu, 241Am: 10
90Sr, 106Ru, 129I, 131I, 235U: 100
35S, 60Co, 89Sr, 103Ru, 134Cs, 137Cs, 144Ce, 192Ir: 1000
3H, 14C, 99Tc: 10000

資料を見ると、幼児向けむ成人向け食品も ヨウ素131が 100(Bq/kg)、セシウム134が1000(Bq/kg)で、影響に差がないとされています。
一方ウラン系放射は幼児向けが1(Bq/kg)、成人向け食品が 10(Bq/kg)とされています。

これらのガイドラインのレベルは、加工食品、乾燥食品、濃縮食品ではなく、消費量に換算して適用される年辺り1mSvの放射線レベルに基づいているそうです。

つまり、調理したりすると濃縮されたりして一様な値にならないから、原料でこの値に規制してるんですよってことです。

だから、1kgもほうれん草を食べないから、この規制値は厳しすぎてあてにならないという言い分は無理やりのこじつけで、消費税の二重課税みたいなものいうことです。


これに対して、厚生労働省が発表した数値を見てみると。
ウラン系放射能については差がありませんが、ヨウ素131は飲料水、幼児向けが300(COCの3倍)、その他の野菜が 2000(COCの20倍!)
セシウムは何故か、COCより厳しい数値の 200/500(Bq/kg)

どう見ても検出された放射線物質の量に都合よく合わせた基準値にしか見えません。
*注:放射線問題。避難すべき基準値を計算してみました で公開してある資料にもある通り、急ごしらえで作った値ではなく、数ヶ月前から検討されていた値だそうです。


先ほどの値が、COC/WHOによって年間摂取量を考慮して計算された値だそうですから、この基準ぎりぎりの食品を摂取すると 年間 20mSVの放射線を摂取するということになるわけです。

食品だけで、一般人の年間被曝限界量に達してしまう計算になるわけですから、おかしいですよね。

なんでこんな暫定値を設けたか。

規制値を下げることによって、政府の農家への補償負担が軽減し、制限地域を狭く見せることができるからという理由しかありませんね。

「規制値を上回る野菜は出回っていない」とのことでしたが、この規制値が設けられたのが1週間前ですから、国際基準の規制値の20倍近い放射能レベルの野菜が出回っていて政府は黙認していますというわけです。

何故か、規制値は超えていないという報道ばっかりで、規制値を変えたことが全然報道されないのが不思議ですよね。(情報操作?)

こうなると、もう関東で野菜食べられませんね。



blackwingcat at 14:06コメント(2)トラックバック(0) 
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コメント一覧

1. Posted by snak   2011年03月26日 20:52
3 >この規制値が設けられたのが1週間前
ほんの少し書き方が不正確な気が、・・・。
wikipediaには、
原子力安全委員会により示された「飲食物摂取制 限に関する指標」
は、2010年12月に作成されたと書いてあります。上記を暫定基準といい、その
暫定基準を規制値にしたのが、1週間前ということですよね。
ちなみに上記は国際放射線防護委員会(ICRP)の基準を元に作成されているそうなので、そこと大幅にかい離がなければ、それほど恣意性はないですよ。
もともと国際機関のWHOと、国際放射線防護委員会(ICRP)では基準が異なるということではないでしょうか。
でも厚生労働省が基準を作る場合は、安全なWHO基準にしてほしいですね。
2. Posted by snak   2011年04月15日 03:41
2 以前読んだ文章と印象が、・・・。
COCの方は見てませんが、年間平均消費量とか年摂取制限とかを考慮すると、安全基準は随分緩くなる(数十から数千倍)印象があります。

>セシウムは何故か、COCより厳しい数値の 200/500(Bq/kg)

WHO飲料水水質ガイドライン第3版(2004年)というのがあるのですが、この報告書に書かれている飲料水の規制値は、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137、ストロンチウム90は10Bq/Lです。
したがって、日本政府のセシウムの飲料水の暫定基準200Bq/Lは、WHOの上記報告書と比較すると、飲料水に関して、セシウムも20倍緩くなっています。

暫定基準で一番変だなぁと思うのは、基準値をぎりぎり下回る(政府によれば安全な)生野菜から野菜ジュースにすると、同じ暫定基準の飲料水の規準を満たせないことです。

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