2011年03月

2011年03月18日

時系列にイベントを並べてみました

11日20:50 半径2kmの住人に避難指示
11日21:23 半径3kmの住人に避難指示/半径10km圏内屋内待避指示
12日 5:44 半径10km圏内に避難指示
12日 14:30 1F1号機 格納容器ベント開始 放射性物質放出開始   
12日 15:36 1F1号機 原子炉建屋で水素爆発
12日 18時過ぎに南相馬市で20μSVを検出
12日18:25 20km圏内に避難勧告
13日 8:41 1F3号機 格納容器ベント開始 放射性物質放出開始
14日 11:01 1F3号機 原子炉建屋で水素爆発
14日 20:37 1F2号機 格納容器ベント開始 放射性物質放出開始
15日 0:00 1F2号機 格納容器ベント再度開始(小弁) 放射性物質放出開始
15日 6:14 1F2号機 原子炉建屋で爆発音
15日11:06時ごろ原発から30km以内に屋内退避
15日15時ごろから福島市で25μSVに急激に上昇

※南相馬市と福島第一原発の距離は約25km
※福島市と福島第一原発の距離は約50km

問題点をまとめてみました。
・12日の15時前に放射性物質を放出開始しているのに、20km圏内に避難指示を出していない。
・爆発起こって3時間後、25kmはなれた南相馬市で20μSVを検出してからの避難。
・13日以降の放射性物質放出などがあっても一切避難指示の拡大なし。
・15日に50km離れた福島市で25μSV検出されたのにまったく指示がない。12日の爆発時を考えると80km圏内に屋内待機を指示してもおかしくない。

さて、気になるのがマスコミの報道です。

胸部x線集団検診(1回)は0.03μSV
テレビでX線撮影が50マイクロシーベルトなので安全ですと言っているのは、おそらく胸部x線集団検診で平均2枚撮影するため。
ただし、25マイクロシーベルト/hは、24時間に直すと0.6ミリシーベルトになる。
この5日間で福島市民は1年分の自然放射線を超える3ミリシーベルトの放射線を浴びている計算になる。
1年間居れば200ミリシーベルトを超え、30年間居れば誰も生きていられない放射線の量(致死量100%と言われる7000ミリシーベルト)という計算になる。
アメリカの発表した80km離れれば0.4倍になるので、日本人の平均寿命である、80年で致死量の被曝量という事になります。

なぜかどの放送局も口をそろえて単位の違う一時間辺りの被曝量と一瞬で終わるX線の被曝量を比較しています。

避難勧告を出さないのは、ピーク時に避難勧告を出さなかったのに、それより放射線量が半分まで下がっているから今更出せないのだと思いますが、計算すると50kmまでは現在でも屋内退避にすべき放射線が出ているので今からでも避難指示を出すべきだと思います。

東日本大震災:原発から20キロでも放射線量が高濃度 - 毎日jp(毎日新聞)

住民の健康被害については「枝野幸男官房長官からコメントするなと指示があった」と説明している

20kmはなれた福島県浪江町内で300ミリシーベルトを超える放射線が出ていたのですが、今日(17日)も150ミリシーベルト越えてるようです。

この値から80年間で7000ミリシーベルトになる、10ミリシーベルト/h以下に抑えられる距離を逆算すると78km圏ということになりますから16日に80km圏内に立ち入り禁止にしたアメリカの判断の方が正しいと言うことになります。

これでも、テレビで言っていた『他の国の基準が高いからアメリカの80kmと言うのは大げさだ』ってのを信じますか?


blackwingcat at 12:49コメント(0)トラックバック(0) 
時事ニュース 

2011年03月17日

『液体窒素で原発を冷やせないのだろうか?』という Tweet を見かけたので、説明しましょう。

理由は蒸発熱と比熱にあります。
物質比熱
(cal/g)
蒸発熱
(cal/g)
沸点(度)密度
15321001
アンモニア1.146284-33.50.61
海水0.94-100.51.02
液体窒素0.24847.5-195.80.808

例えば、比熱0.12 、1500度のジルコニウム10kg にかける場合を考えてみます。

一方 -200度の液体窒素と 10度の水を1リットルずつかけた場合を想定します。

まず、液体窒素と水をかけた場合、
均衡温度をそれぞれ n,h とすると

1)気化した窒素や、水蒸気も冷却に貢献すると仮定

(1500-n)*0.12*10= (n-(-200)+47.5)*0.248*0.808
(1500-h)*0.12*10= (h-10+532)*1

1800-1.2n=0.200384n+49.595
1800-1.2h=h-10+532

1750.4=1.400384n
1278=2.2h

n=約1250度
h=約580度

2)気化した場合に気体が拡散してしまう場合。

(1500-n)*0.12*10= ((-195.8-(-200))+47.5)*0.248*0.808
(1500-h)*0.12*10= ((100-10)+532)*1

1800-1.2n=51.7*0.248*0.808
1800-1.2h=90+532

n=約1491度
h=約980度

ずっと、常温に近い物質を冷却する場合には液体窒素は有効ですが、高温の物質の冷却には向いていないことが分かりますね。

高校の化学で習ったかもしれませんが、水の水酸基が持ってる水素結合の強さが影響しているので、水が蒸発するためには、たくさんのエネルギーが必要なのです。

というわけで、水を使うのが最善でもっとも有効なのです。



blackwingcat at 21:48コメント(8)トラックバック(0) 
時事ニュース 
米国 / 政治 / 【津山恵子のアメリカ最新事情】地震大国なのになぜ 米市民が日本に不信感 / The Wall Street Journal, Japan Online Edition - WSJ.com

原子炉冷却のための海水の使用は米国の関係者を驚かせた。「海水の注入など聞いたこともない、よほどの緊急事態」(米専門家)という反応だ。

ポンプの故障、ベントできなくて爆発の原因となった海水の注入ですが、やっぱりよく分からない人が指揮を取ってやったって感じなんですかね。

国内 / 福島原発は「部分的なメルトダウン」−米エネルギー長官 / The Wall Street Journal, Japan Online Edition - WSJ.com

委員会の公聴会で、爆発、機能不全、放射線漏れなどで損傷した福島第1原子力発電所は「部分的なメルトダウン(炉心溶融)」が生じているとの見方を示した。

しかし同長官は、同原発には放射能大量放出を防ぐ封じ込めシステムがあるとし、部分的なメルトダウンは「封じ込め(格納)システムが崩壊している」ことを意味しないと述べた。

日本では まだ、燃料棒が水に使ってないとか言ってますが、メルトダウン起こしているって確かに、海外では報道してますね。
ロシアが言ってたのはこの記事のようです。

いくつか日本語に翻訳されていない記事もあるようなので、気になる方は英語版を注視していたほうがいいと思います。

Japan - Wsj.com
Japan Struggles to Control Reactors - WSJ.com

さて、ロシアの言ってた破局的事象の記事が見つからないけどどれだろう・・・。


blackwingcat at 10:20コメント(1)トラックバック(0) 
時事ニュース 
日本政府が IAEA に詳しい情報を入れていない件もそうなのですが、外国に情報を隠すための工作をしてる可能性が濃厚になったソースが出てきました。

福島に注がれるロシアの熱い眼差し 反日から一転したロシアの雰囲気、1万人の難民受け入れも JBpress(日本ビジネスプレス)

この記事で、チェルノブイリにもかかわった原子力のスペシャリスト セルゲイ=キリエンコ 氏などの派遣を考えているという話があったので、どうなったのかと思っていたのですが。

続きを読む

blackwingcat at 03:03コメント(0)トラックバック(0) 
時事ニュース 

2011年03月16日

1号炉の燃料棒の70%が損傷している
2号炉の燃料棒の30%が損傷している
3号炉の燃料棒については不明

という報道がされていますが損傷について、凄くあいまいな解説が各局でされています。

燃料集合体の外観検査装置 - 三菱重工業株式会社

燃料棒の外観検査装置については比較的最近出てきたものなので、1970年代に作られた1号炉、2号炉で導入されている可能性は低そうです。(もんじゅなどでは精密な破損燃料の検出装置が実装されてるようです)

もし、重量を監視しているとすると、3割、もしくは7割が解け落ちてしまってることを示しています。

燃料棒のかなりの部分が欠損および溶解するとメルトダウン。
3号炉は不明といっていますが、全部解けてしまって測定できないのではないでしょうか?

燃料棒皮膜のジルカロイ管は融点1800度、燃料棒合金の融点は2800度ですが、2号機は2時間以上空炊き状態、1号機はさらに長時間にわたって水位が20%程度しか上がらなかったとニュースで言って居ます。
燃料棒が冷却水から露出すると1時間以内に2000度を超えます。
Morgsatlarge – blogorific.

ということを踏まえると、溶出してないと考える方が不自然で、損傷=解け落ちた分と考えるのが自然だと思います。



blackwingcat at 12:34コメント(0)トラックバック(0) 
時事ニュース 
NHKとTBSで福島市で20ミリシーベルトの放射線が検出されたとニュースがやっていました。
アナウンサーは「レントゲンの半分の放射線なので安全です。」と言って居ますが、単位が ミリシーベルト/h なので、1日浴びると0.5シーベルトにもなります。

調べてみたら、20マイクロシーベルトの間違いでした。←ちょっと安心



なんだか「放射線の量が100倍で騒いでる人たちに有馬温泉は4万倍の放射線が出ている」と教えてあげましょうというメッセージが流れています。

続きを読む

blackwingcat at 12:08コメント(0)トラックバック(0) 
時事ニュース 

2011年03月15日

神奈川県内における放射線量の測定状況について(第2報) - 神奈川県防災・災害情報

本日5時50分ごろと12時ごろに爆発的な放射線の増加を検出しています。

2号炉と4号炉の爆発時間とほぼ同じ時間帯であるため、直接高レベルの放射線が福島第1原発から届いた可能性がありますが、東京都内で放射性セシウムや放射性ヨウ素が微量に検出されたそうです。

今日外出された方は・・・・。

・帰ってきたら、今日着ていた物を全部、他の洗濯物と一緒にせず、単独で洗濯する(可能なら捨ててもいいかも)
・すぐに風呂に入って髪の毛も必ず洗う。
・鼻やのど、目を洗浄する。

ここまでやったほうがいいと思います。

250km離れた 神奈川県の測定ポイントで 250 nGy/hという事は・・・
25kmの地点では 25mGy/hってことになり、2.5km地点で 皮膚障害の出る 2.5Gy/hとなりますね・・・。

東京電力の人大丈夫かな・・・。

blackwingcat at 23:02コメント(0)トラックバック(0) 
時事ニュース 
今回の福島第1原発の事故の原因は、外部電源が地震の影響でSTOPした上非常用のディーゼル発電機が『何故か』動作しなかったことですが・・・。

半年前にこんなことがありました。

定期検査中の福島第一原子力発電所1号機における非常用ディーゼル発電機損傷の原因と対策について

風のたよりーいわき市議会議員 佐藤かずよし  : あわやメルトダウン、福島第一原発2号機電源喪失水位低下

2010年 06月 19日

17日午後、第一原発2号機であわやメルトダウンの事故が発生しました。発電機の故障で自動停止したものの、外部電源遮断の上に非常用ディーゼル発電機が すぐ作動せず、電源喪失となり給水ポンプが停止、原子炉内の水位が約2m低下、約15分後に非常ディーゼル発電機が起動し隔離時冷却系ポンプによる注水で 水位回復するという、深刻な事態でした。東京電力は事実経過を明らかにしておらず、真相はまだ闇の中ですが、この事故は誠に重大です。
原子炉緊急停止後、電源喪失が長引けば、燃料の崩壊熱を冷却する冷却水が給水されず、水位がさらに低下し、むき出しの燃料棒が崩壊熱により溶け、炉心溶融=あわやメルトダウンという、スリーマイル原発型の最悪の事態に至る可能性があったのです。

本来、冷却材喪失事故時に緊急炉心冷却装置により原子炉への注水を行い、燃料の露出による破損を防止し、冷却材喪失事故と外部電源喪失事故が同時に発生し た場合でも、非常用ディーゼル発電機が起動し緊急炉心冷却装置への電源供給を確保することになっていますが、今回の事故では、非常用ディーゼル発電機の起 動が大幅に遅れました。
保安規定上は外部電源の喪失信号を受け、非常用ディーゼル発電機は10秒以内で自動起動し、緊急炉心冷却装置ポンプへ電源 を供給することになっていますが、今回は約15分との報道もあります。外部電源喪失を模擬した柏崎刈羽1号機系統機能試験のデータでは発電機起動が7,6 秒とされています。これは誠に由々しき事態です。

東京電力は当初、発電機が停止した原因を「発電機そのもののトラブル」と説明していましたが、18日になり「外部からの電源の供給が何らかの原因でストッ プしたため保護装置が働いて発電機が止まり、その結果、原子炉の自動停止に至った」と福島県に報告したといいます。しかも東京電力はこの件を報道機関に発 表していませんでした。

海水による冷却についても4年近く前の記事で意味が無いとされています。
福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ

2007年7月24日

福島原発はチリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなることが、すでに明らかになっている。これは原子炉が停止されても炉心に蓄積された 核分裂生成物質による崩壊熱を除去する必要があり、この機器冷却系が働かなければ、最悪の場合、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険がある。そのため私た ちは、その対策を講じるように求めてきたが、東電はこれを拒否してきた

続きを読む

blackwingcat at 21:17コメント(1)トラックバック(0) 
時事ニュース 
Arcana Collection
記事検索